竹製品と籐製品

ここの部族民のほとんどは、入念に飾りつけ、鳥の羽根や赤く染めた髪の房をつけた自分の帽子を作る。加えて、籠、鞄、容器など他にも多数の製品が作られている。籐製品・竹製品づくりという仕事は男性へと厳格に限定され、作成されている最も一般的な製品は、籾、燃料、水を貯蔵し運ぶための籠や、地酒を調合するための器のような、日々の必需品に合うように設計される。細い糸状の竹や草でできた、さまざまな米茶碗、弓矢、被り物、筵、肩掛け鞄、装飾品、首飾りも見られる。ノクテ族やワンチョ族の大部分が、籐の染糸を被り物、ベルト、ヘアバンド、腕飾りなどに用いている。

竹製品と籐製品

バプ・テン・カン瀑布

白くしぶきを上げて落ちる荘厳なバプ・テン・カン瀑布は、ヌラナン滝としても知られる、タワングから80kmのところにある人気の観光名所である。水は100フィートというよろめくような高さから白く染まって激しく落ち、アルナーチャル・プラデーシュの瑞々しい緑の山々を通り抜ける道を形成している。世界の屋根にあたるところにあるピクニックの場所であるこの地は、雲の中を歩いている感覚に襲われるほどに高い。この瀑布の周辺地域は厚く緑で覆われていて、2,3時間かければ、遠くでうなりを上げながら水が落ち、空気中で光りながら周囲に靄がかかっている中を徒歩で探索できる。町では、この瀑布のところまで向かう日帰りのバスやタクシーが利用できる。そこには、温かいお茶などの軽食を売っている露店も少しばかりある。ヒマラヤ山脈の豊かな硬水は体によいと言われ、夏の数か月の間は瀑布の作る小さなプールで泳ぐことさえ可能である。

バプ・テン・カン瀑布

ブムラ峠

ブムラ峠は15,000フィート以上の高さにあり、その法外な高さゆえにほぼ年中雪で凍結していて、チベット高原の美しい眺めを形成している。この峠への道を行けば観光客は多くの静かな小部落と景勝の湖の間を通ることになり、ドライヴが印象的なものとなる。インド軍の管理しているブムラ峠は、一番の急斜面の場所でインド人兵士が国境をどう守っているかを見たい人にとって必見の地である。ここに来た人は、どのようにインド軍に受け入れられ食料を分けてもらったかという、誰かと共有すべき非常に温かい話と、寒い高地に順応するための秘訣とを得られる。ブムラ峠はまた、インド軍と中国の人民解放軍との間で公式に合意された四つのBPM(国境上の個人的面会)地点の一つでもある。指定の日には両軍によって文化的プログラムが催され、それを人々は見ることができる。国境を越えたところに何があるかを知りたい観光客のために、インド軍の検問所の近くには望遠鏡一つと双眼鏡が少し置いてある。軍営の売店では、温かいお茶、水、デザートが売っている。この峠を訪れるには特別な許可証が必要であり、タワングの代理長官事務所で入手できる。.

ブムラ峠

ディラン

ディラン村はアルナーチャル・プラデーシュの西部にある、一泊旅行者の滞在場所である。この村はアッサムにあるジョールハートとタワングの中間に位置し、自然のままの姿を残すカメング川の土手にある。それほどの高度にはないため、この楽園は快適な天候を享受している。小部落には風景、文化、食べ物とこの地域特有のもの全ての中で最良のものが揃っているため、アルナーチャル・プラデーシュのもの全てを知る機会がある。ここの最古の僧院の一つカストゥング僧院は、この村から少し上ったところにある。

この村を下ったところは、マニ旗で飾られた歩行橋を通って向かうことのできる、しぶきを上げるディラン川である。ここでは羊が草を食むのを見ることができ、温かい歓待で知られるこの村で観光客は、時おり地元の家庭からお茶に招かれることさえあるだろう。この村には、土産物として最適な地元の手工芸品を売っている市場がある。ブータンの石材建築設計の基本原理に従って建てられたディラン・ゾン砦は丘の頂上にあり、長く伸びる石を埋め込んだ岩の階段を抜けてたどり着くことができる。この砦の設計は、身を切るような寒さから住人を守ろうと、いくつか巧技を用いてなされたものである。この村近辺のもう一つの興味深い名所は温泉であり、現地の人々から聖なるものとみなされている。

ディラン

ゴリチェン峰

ゴリチェンはアルナーチャル・プラデーシュで登ることのできる最も高い峰で、海抜21,300フィート以上に達している。その高さゆえに、ゴリチェンは年中雪で凍結したままで、多くのベテランの登山家と冒険好きなトレッカーの心を鷲掴みにしてきた。主要な町から164km離れたところにあるこの峰は、地元ではTsa-Nga-Phuとして知られるが、これは神の国という意味である。ボンディラとタワングの間の道からは、この峰の絶景の一つを見ることができる。モンパ族はこの峰が自らの存在に不可欠であり、あらゆる敵から守ってくれていると信じているため、この峰を崇拝している。地元でこの峰は、この峰を覆う間違えようのない雪の白い絨毯によって、地域で最も目立ち簡単に見分けられる峰の一つとなっていることから、しばしば巨大な白象と呼ばれている。その眺めは、下方の重なりあう峡谷の中に緑の牧草地や青々とした森のなす斑点が見えるのに対して、雪を頂き光り輝く白い峰が上方にそびえたち、太陽に照らされることで、魅力的なものになっている。.

ゴリチェン峰

セラ峠

セラはタワングへの入口となっている、高所にある峠である。ここはタワングと西カメング地区とを結ぶ、きわめて重要な、ただ一つの通路を形成している。この峠は海抜13,700フィートの高さにあり、タワングの町の中心部からおよそ67km離れている。この峠の峻厳で起伏の激しい土地にはほとんど植生がなく、ほぼ年間を通じて雪に覆われているため、雄大なヒマラヤ山脈の壮観な眺めが望める。ここの斜面では、ヤクが所々に噴出している青葉を食んでいるのを見ることができる。

セラ峠