バドシャー・トゥーム

高名なカシミールの統治者、スルタン・ザイヌル・アービディーン(1421~1474年)の母親の永眠の地が、シュリーナガルのバドシャー・トゥームです。古い仏教寺院の台座の上に建てられています。5つのドームを持つ風変わりなレンガ造りの建物で、15世紀に作られたユニークな建築だと考えられています。むしろビザンツ帝国の建築物のようだという声もあります。墓所は平穏な場所で、いちばん上からは周囲に広がる緑の素晴らしい眺めを楽しむことができます。町で最古の橋である新しいザイナ・カダル(橋)からの眺めでは、この墓所はシュリーナガル旧市街の美しい風景の、重要な一部を形作っています。

バドシャー・トゥームのそばにはジェラム川が流れています。スルタン・ザイヌル・アービディーンは伝統的なムスリムの信仰、作法、儀礼、慣例に則って、意図的に水辺に墓所を作ったと考えられています。

バドシャー・トゥーム

スリ・プラタープ・シング・ミュージアム

スリ・プラタープ・シング(SPS)・ミュージアムは、かつてはカシミールを支配していたマハラジャたちの夏の居城でした。当時ジャムとカシミールを支配していたマハラジャのプラタープ・シングから、その名がつけられました。1898年に開館し、ユニオン・テリトリー全体から集められた手工芸品ならびに考古学的な遺物の膨大なコレクションを所蔵しています。

外観は王家の威風堂々たる態度を反映し、内側ではカシミールのバルティスターン、ギルギットおよびその他の地域から集められたいくつもの装飾品が展示されています。考古学セクションには、ラダックのパンドレンタン彫刻、アワンティプラ彫刻、パリハスポラ彫刻、仏教の遺物があります。肉筆本のセクションでは、17世紀や19世紀後半に遡る書物や勅令を見ることができます。これらの興味深い文書の一部は、ボージョ・パトラと呼ばれるカバノキの樹皮や、コシュール・カガスと呼ばれるカシミールの自家製紙に書かれています。文書にはタフシール・イ・カビール、カシミーリ・コーラン、ハフト・パイカール・マクザン・アスラール、シカンデルナマ、シャーナマなどがあります。

スリ・プラタープ・シング・ミュージアム

ハリ・パルバット城

アフガン人支配者アッタ・ムハンマド・カーンが開いたハリ・パルバット城は18世紀に建てられました。城の西側斜面には女神パールバティを信奉する神殿があります。丘の南側にはあらゆる宗教や信仰を持つ人に尊敬された、スーフィーの聖人であった有名なクワジャ・マクドーム・サヒブのムスリムの聖地となっています。現在では城はインド軍が使用しています。

ハリ・パルバット城

パリ・マハール

ダル湖にその姿を映すパリ・マハール、またの名をパレスオブフェアリーズ(妖精の宮殿)は、6段になっている庭園です。色鮮やかな美しい花々に囲まれている庭園は、泉も自慢です。シュリーナガルの他の庭園とはかなり違い、連なる滝がない代わりに複数の段を持つ作りになっています。元々は、ムガル皇帝シャー・ジャハーンの長男、ダラ・シコーがスーフィーを学ぶ場所でした。ザバーワンの山に位置する古代の記念碑は、ここで9月と10月に生育するサフランで知られています。

パリ・マハール